- 1500万メリットってどんな話?
- 1500万メリットのネタバレが知りたい!
- 結局どういうことなの?
Netflixオリジナル作品「ブラックミラー」のシーズン1-3にあたる1500万メリット。
偽物で溢れた世界の中で、バイクを漕ぎ続ける労働者が数百万人もいる一方でチャンネルで番組を持つスターとの二極化が起こっています。
主人公のビングは無気力で生きていましたがアビと出会う事で人生が一変します。
そんな彼とアビとの結末が考えさせられるものでした。
この記事の内容
1500万メリットの内容をざっくりと解説
世界観
1500万メリットの世界観は単純労働者が大勢いる一方でチャンネルで自分の番組を持っているスターとの二極化が起こっています。
この世界の中で使われている通貨は「メリット」と呼ばれ、何かしらの労働をした対価で得ることができます。
労働者を抜け出すための唯一の道はゴールドチケットを購入してホットショットと呼ばれる番組に出演して、審査員3人の前でパフォーマンスを行い認めてもらうことです。
認めてもらえれば、番組を持たせてもらえて仕事ができる上に、住居までもらえるのです。
ゴールドチケットを購入するためには1500万メリットが必要。
主人公のビングの仕事はエアバイクを漕いで発電することで、1500万メリットを貯めるのには生活を切り詰めても半年は必要とのこと。
アビに出会う
人生の目的がない無気力状態で生活を送る日々でしたがある時、アビという女性と出会い、ビングは恋をすることで毎日が一変。
アビはとても歌が上手で歌手を志しています。
アビはホットショットで成功した歌手に憧れています。
しかし、ゴールドチケットが高すぎて買えないし、自分には無理だと感じていたのですが、それを聞いたビングが「君ならできる。ゴールドチケットは僕があげる」と言います。
アビに一目惚れのビングがアビにゴールドチケットをプレゼントする
ホットショット出演
ビングからのゴールドチケットを使い、ホットショットへ出演したアビ。
アビは出演前に謎のドリンクを飲まされて朦朧としながらも、ステージで歌を披露。
審査員は3人共「素敵な歌だ」と感動します。
アビの歌唱力は文句のつけようがないほど素敵なものだと審査員全員が認めました。
しかし、衝撃の一言を言われてしまいます。
「歌手は捨てるほど溢れている。ただの歌手だけならいらない」と。
そこで、審査員はアビのルックスも踏まえた上で「エロティック番組に出演しないか?」と訪ねます。
アビには歌手ではなくてポルノスターの道が提示される!
退屈な日常から抜け出したい

アビは歌手を志してホットショットに出演しましたが、ポルノスターの道へ進まないかと言われます。
一瞬戸惑いはしましたが、「バイクを延々と漕ぎ続ける退屈な毎日から抜け出したい」という想いからポルノスターを目指してしまうのでした。
それを観ていたビングはショックに言葉を失ってしまうのでした。
怒り狂うビング
アビをポルノスターへ落とし込んだことに対して怒り狂ったビングは、ある1つの想いを胸にしまい込んで、決意。
そのために、ゴールドチケットを購入しようと周りとは比べ物にならないほど一生懸命バイクを恋で、食べ物も節制してひたすらメリットを溜め込み、ついに1500万メリットが貯まります。
ゴールドチケットを購入して、ホットショットへ出演をして軽快なダンスのパフォーマンスを披露。
踊りがヒートアップしてきてピークを迎えようとしたところ、ビングは急に隠し持っていたガラス片を首元にあて「近づいたら首を切って死ぬ」と警備員に忠告。
偽物に溢れた世界
ビングは「今自分たちが生きている世界は偽物で溢れている。」そんな偽物の世界でやっとみつけた本物だったアビ。
そんな彼女をポルノ女優に陥れた事に対しての怒りを爆発させて、蓄積してきた怒りを審査員にぶつけます。
審査員に対しては、「お前達はクソだ!」偉そうにしているだけで、偽物にあふれていると。
無意味なライトを照らすために発電しているのは、数百万人の労働者達。
そんな労働者達を”人ではなくて、消耗品だと考えている。クソ野郎!”と。
目の前に示された2つの道
怒りをぶつけた後、審査員からビングへは衝撃の言葉が待っていました。
「一番胸に響いたよ。君には想いを伝える力がある。どうだ?私のチャンネルで週2回30分の番組を持たないか?」と質問されたのです。
ビングは驚きを隠せません。
スターになりたいと思っていたわけではなくて、アビを陥れた事に対して怒り狂っていました。
さらに、この審査員に選ばれたらスターの道を歩めるというシステムそのものを否定していたのに、心が揺らぎます。
- バイクを漕ぎ続ける日々に戻るのか?
- 否定していたシステムを利用してスターになるか?
ビングはどちらを選んだのかというと・・・。
退屈な日々か、刺激あるスターの道のどちらを選ぶのか?
その後の世界
物語は終わりへ近づきます。
ビングがその場で何を選んだのかはわかりませんでしたが、バイクを漕ぐ労働者の目の前にあるスクリーン。
そこにはビングがスピーカーとして話している姿が映し出されていたのです!
ビングは無刺激で退屈な日々を抜け出すために、スターの道を選ぶことにしました。
労働者の時には、考えられなかった素敵で大きな部屋。
そこで、カメラに向かって話しているビングの姿。
最後はスクリーンに映し出された風景を観て、何かを考えたような表情で1500万メリットは終わります。
1500万メリットの感想

1500万メリットを観て考えたのは2つ。
- 退屈な日々
- スターになる可能性
1500万メリットの世界ではスター以外の労働者は、ベッドが1つ置かれてスクリーンに囲まれた狭い部屋で生活をしています。
朝起きたら、機械的に仕事場へ足を運び、バイクを漕ぎ続ける日々。
バイクを漕ぎ続けたら部屋へ戻ってスクリーンに映し出される映像を視聴したり、ゲームをプレイしたり。
そんな退屈な日々を送り続けているとビングのように精神が病んでしまうのは当然。
退屈な日々を送るなかで自分の世界に色を与えてくれた一人の女性アビ。
アビと出会うことで表情が戻ったビングでしたが、最終的にアビはポルノ女優を歩むことを選んでしまいました。
アビが女優を選んだ理由
ビングは「ホットショットがアビをおかしくした」と怒りを感じていたと思います。
ホットショットそのものを否定ようと、ビングは出演しましたがまさか、自分自身にもスターの道が提示されるとは思ってもいなかったはず。
予想外の展開に戸惑いはしましたが、最終的にはビングもスターを選んでしまいます。
これはアビも同じ気持ちだったとビングは感じたと予想します。
アビもビングと同じように、一番理想である歌手にはなれないけれどポルノ女優としてはスターの道を歩める。
退屈な日々か刺激ある日々か。
この2択で、アビは退屈な日々を抜け出すために、嫌だったポルノ女優を選びます。
ビングも同様に、ホットショットが嫌でしたが、それ以上にバイクを漕ぎ続ける退屈な日々のほうが心底嫌だったのでしょう。
そのため、バイクを漕ぎ続ける日々ではなくて番組を持つスターの道へ歩むのでした。
ビングとアビは2人とも、夢よりも退屈な日々を抜け出すことを選択した。
アビは退屈な日々よりもポルノ女優のほうがマシだと決断する。
非日常が癖となる
ビングは1500万メリットの社会の仕組みそのものを毛嫌いしたはずですが、スターという刺激な日々の欲望には打ち勝つことができませんでした。
その結果、他のスターたちと同じように番組を持たせてもらうことで、その地位が得られるものに満足をしてしまうのでした。
これは現実世界でも同じようなことが言えるかなと思います。
例えば、あなたがお金をたくさんもらっている政治家が嫌いだとします。
「政治家は結局金かよ!」と感じているかもしれませんが、あなたが同じ立場となってお金をたくさんもらえるようになったとしたら・・・?
「絶対にお金の欲望には負けない!」という人もいるかも知れませんが、その時にならないとわからないですよね。
ビングはその欲望に負けてしまった人だと見ることができます。
解釈はそれぞれですが、色々と考えさせられる作品でした。